Column Vol.18
Hitomi Akama |
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2004年6月に中国・北京で行われた北京杯国際網棒球大会に参加した赤間さんにレポートしていただきました。
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赤間 瞳
神戸女学院大学ラクロス部4年
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◎6月18日(金)
いよいよ北京へ出発。思ったよりも中国大陸は近くて、関空からは2時間半であっという間に北京到着。北京国際空港はとても近代的で、大きくてびっくり。今日は2、3日前から降り続けていた雨がやっと止んだらしく、湿気があるが比較的涼しかった。白く霧がかかっているような天気は北京の特徴らしい。空港から北京体育大学へ移動するバスの中ですごく驚いたことがある。空港から続く大きな高速道路を走る途中、左側には高層マンションが建ち並ぶ光景が続く一方で、右側では日本の長屋を連想させるような簡素な暮らしをしている。ここは経済の落差がとてもはっきりしていて、少しショックを受けた。というより、日本人の生活水準の高さを改めて気付かされたという感じだった。
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北京国際空港に到着 |
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北京オリンピックに向けて街も変わりつつあるようです。 |
35分程で北京体育大学に到着。大学の敷地がとにかく大きくて、まるでひとつの街みたいで驚いた。すぐさま昼食とのことで、中華料理で歓迎していただいた。私は美味しくてぱくぱく食べていたけれど、みんなは移動直後ということもあってあんまり箸が進まない様子。食後、関東・九州組よりも先に到着した関西組は、米・西海岸大学選抜が北京体育大学の男子選手達に行っているクリニックに参加させてもらうということで、一面芝のグランドに移動。余談だが、北京体育大学は、芝のグランドだけでも2面、サッカーコート4面にテニスコート、バスケットコート、陸上用のグランド、大きな体育館と運動するにはもってこいのとても良い環境。ここの学生達は毎日飽きないだろうなぁと思う。
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大学の敷地内です。
とにかく広いです。 |
今日は北京体育大学の女子選手が居なくて残念だったが、米・西海岸の選手にパス&キャッチのフォームを教えてもらうことができ、北京体育大学の選手とも少しではあるがコミュニケーションをとることが出来た。関西組の女子6人は明日の試合に向けパス&キャッチをしながら調整。やっぱりいつもと違う環境でするラクロスは楽しい。芝の上で思いっきり走り回って、とても気持ちよかった。最後は男子の試合を観戦。中国人選手は米・西海岸選手と体格差はあるものの、ゴール前での俊敏な動きは米・西海岸選手の引けをとらず上手だった。明日の試合が今から楽しみだ。
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男子の試合。
北京体大の選手も負けてません。 |
夜は、関西組の選手達が北京体育大学の選手達にルールの講習会を行った。女子は3秒やデンジャラスチェックなどの基本的な反則に加えて、オフサイドの規則や処置を説明。中国語で伝える事に悪戦苦闘したが、実際にクロスを用いてジェスチャーを交えながら説明することで理解してくれた様子で何とか無事に終了。女子選手達は皆、熱心にノートをとりながら聴いてくれた。その真剣な姿に圧倒されたと同時に、ラクロスに対する関心の高さをひしひしと感じた。何度か中国選手側から難しい質問もあり、私達が答えられるかひやひやした場面もあったくらいだ。今日はめまぐるしい1日だったが、すごく新鮮で楽しかった。なんだか北京はとっても奥深そう。とりあえず明日に備えて早く寝ることにする。
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ルール講習会 |
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専門用語も中国語なので伝えるのがなかなか難しいです。 |
◎6月19日(土)
いよいよ北京カップが開催。女子は、北京体育大学から2チーム、日本からは九州ユース選抜、関西と関東の選手で結成された日本選抜の計4チームが参加。北京カップは今日と明日の2日間で行われ、今日は15分×2本の試合を総当りで3試合行う。決勝戦は明日行われる予定。私達は第1試合、朝の9時半から北京体育大学チームとの試合。中国人選手との初めての試合で、試合前からちょっぴり緊張。試合は終始中国人選手のパワーとスピードに圧倒され、結果は4−6で敗北。
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いよいよ試合開始 |
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とにかく走ります。 |
中国人選手は体育大学の学生ということもあり、運動能力が驚くほど高い。一旦ボールを持つと、日本では体験したことのない(見たこともない)ものすごい速さで、とにかくゴールへと突っ走るのである。日本の学生の場合、所属する部活(スポーツ)は多くの学生が1つに限るが、北京体育大学ラクロス部の選手達は、ラクロスだけをしている訳ではないようだ。多くの選手が陸上やバスケットボールなど、他のスポーツを複数同時にしており、その中の1つがラクロスであるのだという。中でも足が速く、特に目立っていた彼女は陸上部にも所属しており、なんと3日前にラクロスを始めたとの事!クレードルや細かい技術は洗練されてはいないが、ボールへの執着心はとても高く、味方がボールを奪われそうになると何メートル離れたところからでも全力疾走で助けに来るといった感じだ。運動量もかなり豊富で、後半はほとんどのグラウンドボールを中国人選手に取られていたように思う。白熱した試合となり互いにファールも多かったが、中国人選手のボールへの執着心、そしてゴールへと向かう姿勢には、私にとってとても良い刺激となった。何だかラクロスを始めた頃の、無心でボールを追いかけていた頃を思い出したのである。普段、大学での練習で、私は「がむしゃらさ」を忘れかけていた。中国人選手の思い切ったプレーに、ボールへの執着を目の当たりにして、何だかとても考えさせられた。
私のポジションのマークマンだった中国人の選手と試合後には握手をした。彼女は24歳で私よりも3歳年上だが、とても気さくですぐに親しくなった。彼女は英語を話せたので、試合後に少しだけ話をして「また明日!」と別れた。その後、北京体育大学のもう1つのチーム、九州ユース選抜とも試合をして夕方に全試合が終了。
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仲良くなりました。 |
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ドローも真剣。 |
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ボールへの執着心はすごいです。 |
夜は、北京体育大学による歓迎会が行われ、北京体育大学の学生、米・西海岸大学選抜、日本選手とで御飯を食べながら交流した。テーブルには3国の選手が混ざり合って座った。ひっくり返した皿の上で蓮華を回し、蓮華の柄の指した方向に座っている人がお酒を飲む(もちろん一気飲み)という中国のゲームをして、とても盛り上がった。私のテーブルには運がいいのか悪いのか、ひと際ハイテンションな米・西海岸大学選抜選手が大勢居たため、「京酒」という中国のお酒(これがとってもきつい!)をひたすら注いでは飲む、の繰り返しで大変だった。しかし、こんな機会は初めてで、短い時間だったが大騒ぎをしてとても楽しかった。ラクロスをしていなかったらこんな機会はなかっただろう。明日は日本と中国の親善試合。明日に備えてストレッチをして寝る。
◎6月20日(日)
今日は北京カップ2日目。午後は、中国と日本の親善試合が行われるが、午前中は北京体育大学付近の小学生にソフトラクロスの講習会を行った。まずは小学生とご対面。80人程の小学生はワクワクしているせいか落ち着きがなく、先生もまとめるのに一苦労といった様子。ふと子どもたちの着ている体操服を見ると、赤のスカーフを巻いている子どもと巻いていない子どもがいる。先生に聞いたところ、スカーフを巻いている子は「優秀な子」であるという。何が優秀なのか、という判断基準まではわからないが、あまりの露骨さに驚いた。日本ではきっと見ることのない光景だろう。話がそれたが、その後20人位ずつのグループに分かれ、パス&キャッチ、グラウンドボール(地面のボールをクロスですくう)の練習を行った。
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夢中でシュート |
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みんなすごく元気でした。 |
ソフトラクロスはボールが柔らかく、クロスも軽いプラスチック製で短く、子どもサイズ。子どもたちは皆、初めて触るクロスに興味津々といった様子で、一度握るとなかなか離したがらない。私が普段使っているクロスを持っていた為、「それを貸して欲しい!」と、大きなクロスを小さな手で一生懸命握りながらボールをすくう様子がとても微笑ましかった。その後、4チーム対抗の試合を行った。中国の子どもたちは皆、一生懸命でとっても可愛かった。最後に記念撮影をして解散。子どもたちの何人かは、グランドに残りその後の私たちの親善試合を見てくれるという。将来、高校や大学でラクロスをする子どもたちがこの中から何人出てくるのかなぁ、と思うととても楽しみである。そうならなくても、今日体験した「ラクロス」というスポーツを、将来、記憶の片隅にでも覚えていてくれたら光栄だと思った。
さて、いよいよ中国と日本の親善試合。25分ハーフの試合を行った。昨日の敗戦の反省を生かすため、試合前には念入りにミーティング。そこで私たちが決めたことは、グラウンドボールに集中すること。スピードとパワーでボールに突っ込んでくる中国人選手に向かっていくのではなく、冷静にボールを見て、まず相手の前に体を入れてしっかりすくうことに集中。前半は中国人選手の速攻に何度も苦しめられたが、後半、徐々に日本人選手がダウンボールを取る回数が増え、そこから攻撃に繋がるようになった。結果は接戦の末、8-6で勝利。試合終了のホイッスルと同時に、絡むことの多かった選手達と握手をして、互いの健闘を称えあった。とにかく走り回ってひどく疲れたが、心から試合を楽しむ事が出来た。あともう1試合したいと思う位だった。
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みんな運動能力が高いです。 |
その後、北京カップの閉会式が行われた。表彰や挨拶の後、北京体育大学の学生、米・西海岸大学選抜、日本選手、各国のスタッフ全員での記念撮影をした。本当にあっという間の、濃い内容の2日間だった。
夜は大学内の食堂2階でクロージングパーティー。3国の選手達、コーチがそれぞれ歌や出し物を披露。ちなみに日本は、男子選手の有志が女子ラクロスのユニフォーム姿でYMCAを披露。中国選手と米国選手の反応が少々心配だったが、なんと、周りで観ていた中国、米国選手が次々に飛び入り参加する程の大盛り上がり。とても楽しい時間を過ごした。
◎6月21日(月)、22(火)
21日は終日北京観光。万里の長城、天安門広場などを訪れた。そして22日の最終日、北京を発ち、日本へ帰国。
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万里の長城でチームメイトと |
おわりに
私は過去に2度、海外遠征を経験している。1回生の冬には大学チームでオーストラリアへ行き、2回生の秋にはユースチームでハワイラクロストーナメントに参加した。どちらの国もラクロスの歴史は日本よりも長く、同時にスキルもとても高い。今回訪れた北京は、過去に訪れた2ヶ国と比べるとラクロスの歴史は浅く、今はちょうど発展途上である。しかし、どのプレーヤーも、心からラクロスを楽しんでおり、ラクロスに対してとても熱い気持ちで真剣に取り組んでいる。私は今回、中国で、とても新鮮な気持ちでラクロスをすることが出来て、本当に良い経験になったと感じている。
それともう1つ。同じアジア大陸の大学生とラクロスを出来たことは、私にとって初めての経験で、とても嬉しかった。来年、日本でアジアカップが開催されるそうだ。これを機に、中国と日本のラクロスプレイヤーの交流が今後ますます盛んになることを願っている。
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